「色石の魔術師」ブルガリ
こんにちは iro - laboの桑野です。
さわやかな秋風が吹く気持ちの良い季節になりました。
先日、国立新美術館で、BVLGARI -KAREIDOS-の展示を観覧してきました。
今回「色彩」を視点としているということでとても楽しみにしていた展示です。
担当させていただいている学校のクラスがこの展示を見学することになり、授業でレポートを課しているということもあり、私もしっかり見てきました。

創業から140年近い歴史を持つ世界的ハイジュエラー、ブルガリ。
創業者のソティリオ・ブルガリは、最初は銀細工職人としてスタートします。
その後、ルビーやエメラルド、サファイアなどの貴石である宝石を使った様々な作品を発表します。
しばらくは、石と貴金属の単色のデザインのものが続きますが、第二次世界大戦後は、ルビー(赤)とエメラルド(緑)やイエローゴールド(黄)にサファイア(青)を組み合わせるなど、対照的にぶつかり合うような配色のものが登場します。
暖色と寒色の組み合わせや、ドロップのような円やかで鮮やかな色石の組み合わせは、カラフルなのにチープさとはほど遠く、どこか品格をともなっており、光を通した透明な宝石の色彩はもちろん、重厚感のある確かな素材とのコンビネーションに心臓がドキドキします。
ある色を見ることで呼び起こされる感情がありますね。その感情は、ブルガリのテーマやストーリーに落とし込まれ、絵画と同じように見る側が作品を見てそれぞれ楽しめる、そのような空間です。
うっかり顔を近づけすぎてガラスケースに鼻がくっつきそうになり、危うくスタッフの方に声をかけられそうでした。

会場の様子 キーカラーごとにその色のジュエリーを展示
同じサファイアのブルーでも、色調が異なり、雫のような透明感のある明るいブルー、重厚感のあるベルベットのような深みのある濃いブルーもあります。
宝石に差し込む光により、私たちの目にはそれぞれ個性ある色として映りますが、一つの作品の中に並ぶそれらの宝石は、色相や色調(トーン)が見事に規則的に選ばれています。
ブルガリの色使いは、色彩調和の研究で有名な、ゲーテやシュブルールの理論に基づいており、 補色や、白や黒によるセパレーションの効果が取り入れられている作品がたくさん展示されています。
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【ゲーテ 色相環】 |
【シュヴルール 色相環(クロマティックサークル)】 |
赤―緑 橙ー青 黄―紫による補色は調和する |
大胆といわれる色使いではあっても、やはり「美しいものには秩序がある」といったヨーロッパらしい調和の考え方が息づいているのかなと感じます。
学生のレポートも楽しみです。
こちらの会場は、写真撮影はO Kでしたが、作品はここでは紹介できないので、様子がうまく伝わらなかったらすみません、是非一度会場に足を運んでご鑑賞くださいませ。

美しいカタログも必見!

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