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知れば知るほど、菊の花の美しさに目覚めていきました!

こんにちは。色彩活用研究所の丹治です。
9月は「菊月」とも呼ばれ、菊の花が美しく咲き匂う月。
そして9月9日は五節句で最も数の多い奇数(奇数は、「陰陽」の陽の数字)が
重なる「重陽」の節句。
平安時代、この日には菊の花を浮かべたお酒を飲み交わし
邪気を払う菊花の宴が催されたそうです。

皆さんはの花というとどんなイメージをお持ちでしょうか?
実は私、小さい頃は、お仏壇のお花という印象が強く、また母が作る菊の甘酢漬けの
独特な味が苦手で、菊の花にはあまりいいイメージを持っていませんでした。

ところが年を重ねるにつれ、気持ちに変化が、、、
そして本格的に色の勉強を始めてからはますます、、、
知れば知るほど、菊の花の美しさに目覚めていきました!

歌に多く読まれたのは「白菊」。
心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
『古今集』凡河内躬恒、百人一首 29番 初霜に重なる白の情景が目に浮かんできます。
失礼。ちょっと9月には早かったですね、、、

かさねの色目にも「白菊」を見ることができます。
表の白は花、裏のもえぎは葉の色、と咲き匂う白菊の様子があらわされています。
そして、他にもたくさんある菊の重ねで注目すべきは「移菊(うつろいぎく)」。冬
が近づき、白菊が霜や雪に合って花の周りからだんだんほんのりと紫色に染まってい
くところを表しています。花が枯れて茶色になった!などという単純な見方ではな
い、平安人の美意識のすばらしさ!見習いたいものです。


かさねの色目「白菊」


かさねの色目「移菊(うつろいぎく)」

「黄菊」に関しては、「承和色(そがいろ)」という色名があります。
仁明天皇(承和(じょうわ);834~47在位)が黄菊を愛し「承和菊」(そがぎく)と
呼ばれたことからついた色の名前。これは由来を知らないと全く想像不可能な色ですね。


色名「承和色(そがいろ)」

今回は菊の花の色を取り上げましたが、秋の深まりとともに、少し風流な気持ちになって、
身の回りの自然の色を楽しんでみてはいかがでしょうか。
秋の七草や紅葉に関わる色の名前など、秋にちなんだ素敵な色名が、
きっとたくさん見つかりますよ。



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