夏こそ光の色を愉しんで!
皆さんこんにちは、色彩活用研究所のカラーリスト池田です。
ようやく梅雨があけて、夏らしくなってきましたね。
最近、「キャンドルナイト」や「ランタン祭り」といった光の演出を
楽しむイベントを目にする機会が増え、あらためて光の色について
ちょっと思いをはせてみました。
夜に色を見る時に欠かせない人工光の歴史は、1879年にエジソンが
白熱電球を実用化したところから始まっています。
それまではオイルや石油など火を使って燃やさなければ光は得られず、
エジソンの発明が発表された時「世界から夜が消えた」と言われたそうです。
そのくらい世間の人には衝撃の出来事だったようです。
それからわずか140年で、日本人が発明しノーベル物理学賞をとった
「青色発光ダイオード」によって、夜の景色はさらに進化し続けています。
LED(発光ダイオード)と言えば、1962年に赤色が、1972年に緑が発明されましが、
青の発明は難しく「実現不可能」といわれていたそうです。
青色発光ダイオードが発明される前に作られた横浜の「ベイブリッジ」は、
横浜の「マリンブルー」をイメージしたため青の光にしたそうで、
青色フィルターにメタルハロイドランプを使ったそうです。
そしてそれを手掛けた照明デザイナーの石井幹子さんのインタビュー記事で
「あの青を作るのは、それは大変だったので皆さんにぜひ誉めて欲しい」
と感慨深く言っていらしたのを思い出し、「青の光を作るのは大変なんだなぁ」と
思った印象がありました。(青信号といっても緑じゃん、と思っていたのは、
昔は青の光は作れなかったからなのと、緑をもともと青という文化が
日本にあったから、なんですね…)
そして、それからわずか数年後にノーベル物理学賞を取った3人の日本人
(赤崎氏・天野氏・中村氏)が青色発光ダイオードを発明し製品化したことで、
赤、緑、青の三原色のLEDがそろったので、キレッキレの青や白(光の三原色、
赤と緑と青を同量混ぜると白になります!)の光を楽しむことが出来るようになりました。
そう!青色発光ダイオードが実用化された後に、東京ディズニーランドの
エレクトリカルパレードを見て、冴え冴えとした青の光の綺麗さに感動したのは
私一人ではなかったはず!!
参照:【公式】東京ディズニーリゾート・オフィシャルウェブサイト
でもただ、「全てをLEDの光にすればいいのに…」というと、
人間はそう単純なものではないのですね…。
実際LEDの青の光は散乱されやすく、また光自体のエネルギーも強く、
角膜や水晶体では吸収されず網膜まで届くため、長時間見続けると
目の疲労が回復しづらく、悪化すると目の疾患にもつながるそうです。
(スマホの見すぎ、気を付けて!)
そうした最先端の光の色の文化が進んでいる反面、夏至の夜に
余分な電気を消して、ロウソクの光でスローな時間を楽しもう!
というコンセプトのキャンドルナイトやベトナムの先祖を敬うため満月の夜に
開催されるランタン祭りが最近人気で、日本の様々なところで行われるようです。
白熱電球が使われるまで、ずっと炎の明かりで過ごしていた人間にとって、
情緒性のある炎の明かりは、嫌な思いやつらいことなども全て包み込んで
癒してくれる温かい光としてやはり大切な光の色なんですよね…。
そういえば、夏の夜空を彩る花火も光の色ですね!
今年はぜひさまざまな光の色を愉しんで、どうぞ良い夏の思い出を作ってくださいませ…。
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