「UC級」ってどんな検定?

こんにちは、カラーリストの池田です。

今年もそろそろ流行語大賞などの話題がではじめて、もう年末??
と時間のたつことの速さをリアルに実感する時期になりましたね。
さて、今年の色の業界の新しい出来事としては公益社団法人色彩検定協会(AFT)が
12月にUC級の検定を始めることになりました。

UC(色のユニバーサルデザイン)とは、「色覚の多様性に配慮した誰もが見やすい色使い」
とAFTでは言っています。
つまり、同じ赤いリンゴを見たときに、誰もが赤いリンゴに見えているわけではない、ということ。
人は自分が見た色の見え方は、全ての人が同じように見えていると思ってしまいがちですが、
実はそうではありません。特に色やデザインに関わる仕事をする人なら、
例えば、命に関わるような重要な知らせをする時には、すべての人にもわかりやすい色の
組合せができるように意識する必要性があります。
また色の仕事に関わっていない人でも、身近に色が見えづらい人がいたら、
「どういうことに気を付けたらその人の手助けになるか」を、ぜひ多くの人に
知ってもらう機会になってもらいたい、ということなのです。

『色覚の多様性』って?と思う人もいると思いますが、多くの人は、
赤や黄色、緑や青など、さまざまな色を見分けることが出来ます。
しかし、先天的に「赤と緑の組合せ」のような特定の色の組合せが見分けづらい人は
日本では男性の20人に1人はいるといわれており、これはAB型の出現率と同じといわれ、
実はとても身近なことなのです。

例えば、赤と緑の区別がつきづらく、どちらも茶色っぽく見えてしまうタイプの方は、
焼肉の焼けているところと焼けていないところが分からなかったり、
学校で大切なポイントの赤字は単なる虫食いに見えて、大切なところこそ見えていないことが、
日常当たり前にあるわけです。

そして、私の子供が通っている小学校では、なんと!今年から任意ですが
色覚検査を行うようになり、色覚の確認を早くすることが世の中的にも大切と、
改めて認識されはじめているのだなと実感しています。

ということで、ぜひ多くの人にそうした色覚のことや、UCについて、
私たちも知ってもらいたく、先日UC級にむけた学習会を行いました。
公式テキストの内容として、まずは理解しておくべき内容などを解説し、
実際にそうした方はどのような色の組合せが分かりづらいか、わかりやすいのか、
また高齢者にとって事故をおこさないリビングルームのカラーワークなども行いました。

今回、色々な見え方を体験できるアプリの紹介がテキストにもされており、(公式テキストp74 シュミレーションソフト紹介 色のシュミレータ(浅田一憲氏))を使って、例えば東京都がアップしている地震の危険度を知らせるハザードマップがいかにそうした人にとって見づらく意味をなしていないとか、あれはUCになっている、なっていないなどワイワイ話しながら、改めて見やすく配色することの重要性をみんなで考えました。

<右図>
東京都のハザードマップを色のシミュレータ「色のシミュレータ」で見た場合

1型(P型)、2型(D型)、3型(T型)の2色覚の色の見えをリアルタイムに確認し、一般型(C型)の色の見えと比較することができます。
⇒色のシミュレータ   (ハザードマップ出典:東京都)



今後も「学習会」を続けたいと思います。皆様のご参加!ぜひお待ちしています。



オススメ講座


UC級学習会 (全1回・5時間)
  11/23(金・祝)   10:00~16:00  参加費:10,800円(税込)



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