歩きながらアートを鑑賞


こんにちは、iro-laboの中川内です。
桜が終わり、新緑が気持ちのよい季節になりましたね。
普段、街を歩いているときに、皆さんはどこを見ていますか?
今回は、周りをキョロキョロ見ながら歩きたくなる街をご紹介しましょう。

東京都立川市に、「ファーレ立川」と名付けられたアートの街があります。
映画館、商業施設、オフィスビルなどが整然と並ぶ街区では、
著明なアーティストが手掛けた屋外アートがあちらにもこちらにも見られるのです。
その数なんと109点!!!
http://www.tachikawa-chiikibunka.or.jp/faretart/

作品名も作家名も何も付けずに、さりげなく道ばたや植え込みの中に設置されているので、毎日通っていてもアートだとは気づいていない人が多いとか。
実はこれ、「都市の森をさまよってほしい、そして隠れている妖精たち(アート)を見つけて驚いてほしい」という、街のアートプランナー北川フラムさんの仕掛けです。

 

作品のほとんどが、車止め、ベンチ、街灯、排気口カバーなどの機能を持っていることも、
この街の大きな特徴です。

これは分かりやすいですね。 ≪車止め兼ベンチ(左) 街灯(右)≫

では、これは何だかわかりますか?

この作品は、上部が蓋になっていて開けられます。
中を覗くと水道栓が収められていて、植物の水やりや作品清掃の際に使われているのです。
なんともおしゃれな水道栓ですね。

こちらはきれいな青色の柱。

上は歩行者デッキになっていて、他の柱は全て円柱形のデザインで統一されていますが、
この1本だけが構造上この形にせざるを得なかったのだそうです。
これを見た一人のアーティストが、この形を気に入り、色を塗って美しいアートに変身させました。

建築上の必要性とデザイン性の狭間で生まれた問題を、アートが解決した一つの例です。

ここでちょっと、作品の色に注目してみましょう。
は見る人に涼しげな印象を与えるので、これから夏に向けて出番が多くなる色ですね。
光にはたくさんの色が含まれていて、それぞれ波長の異なるエネルギーを持っています。
のエネルギーには血圧や体温を下げる作用があるので、冷たく感じられて
「寒色」という分類をされるのです。
この作品をじっと見ていると、すうっと心も静まってくるような気がします。

今回ご紹介した街の役割を担うアートたちは、今年の10月に「勤続25周年」を迎えます。
これからも元気で働いてもらうために、長い間ずっと、街の人々が力を合わせてメンテナンスを続けています。

<参考URL> 
アートツアーガイド「ファーレ倶楽部」(要予約)
アート案内アプリ「ファーレ立川アートナビ」
※いずれも無料で利用できます。


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