萬塗装工業 萬 昭宏さん
今回の「サミュエルColorくらぶ」は、サミュエルで色彩検定講座を受講されご自身の仕事にカラーの知識を活かしてビジネスの幅を広げ、お客様との関係やコミュニケーションの質を高めている 萬 昭宏さんをご紹介します。
塗装職人として20年以上のキャリアを持つ萬さんが手掛けている賃貸マンション「東砂五番館マンション」での塗装によるリニューアルの現場をお訪ねしました。
マンションのオーナーから、暗い雰囲気の共用エリアを天井部分の色を変えることで「明るい雰囲気に変えてほしい」という依頼を受け、萬さんは実際に天井面に5色のサンプル塗装を施してカラー提案を行いました。オーナーが選んだのは、ピンク系の壁面とも調和する桜色。 さらに居住者81世帯にアンケートを取った結果、最も賛同を集めたのもこの桜色でした。
サンプル塗装例1 | サンプル塗装例2 | 萬さん仕事風景 |
カラー提案とその効果に満足したオーナーからは、さらに自転車置き場の天井部分もこの色で塗装をしてほしいとの依頼が出されました。
経済の低迷が続くこの時代に、全81室まったく空き室が出ないというこのマンション。常にメンテナンスが行なわれ、
今回のカラー計画のように居住者の意図を汲んだ細かな気配りを絶やさないオーナーの姿勢が支持された結果といえるでしょう。
また、建築への積極的なメンテナンスが素晴らしい費用対効果を生んでいる成功例に違いありません。
自転車置き場天井の塗装 | 萬さん(右から2番目)と塗装職人の皆さん |
「この現場はカラ―の勉強をしてから初めて自分でカラー提案をした仕事です。 依頼主から色に詳しい人をという要望があったことから受注した案件です。 塗装の仕事では、建築サイドの担当者とのやりとりで終わるのが一般的ですが、 カラーの専門知識があることでオーナーさんや(ユーザーの)お客様ともお話することができ仕事の幅が広がっています。 仕事を楽しむこと、面白い仕事にしていくのがプロの仕事。こういう仕事ができる後継者も育てていきたいと思っています。」
一緒に働く職人さんたちの目にも「一級技能士」とともに「カラーの資格」を持って プランニングの段階から建築士とも一緒に仕事をしていける仲間が頼もしい姿として映っている様子でした。
今後は、自分で自宅をペイントできるようにお客様へ塗装の指導も行いたいと意欲を示す萬さん。 「不況の時代に自分でペイントできるとコストダウンにもつながり、苦労して自分で塗装してみると愛着も沸くので家や建物を大切にしていってもらえると思います。 ペイントサービスに知識やノウハウという付加価値もビジネスに加えていきたいと考えています。」
取材の合間に天井面の塗装のてほどきを受けましたが、ムラなく均一に仕上げることの難しさを実感しました。 いとも簡単にきれいな色面を作っていく職人の仕事ぶりに改めて感銘を受けました。
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