春はあけぼの

こんにちは、iro - laboの桑野です。

毎年、暦を見ながら、季節の移り変わりを実感することが多かったのですが
最近は、残念なことに、冷夏や暖冬、異常気象など、それぞれの季節らしさを感じることも
少なくなりました。

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」清少納言 「枕草子」より

春は、明け方が趣深いということですよね。

今月の色に「東雲色(しののめいろ)」を紹介していますが、まだ、人も街も目をさましていない時間に、尾根の部分が、少しずつ明るくなって、暗闇の青とオレンジの光が混ざり合う空の色の様子は、美しく幻想的です。
東雲色は、曙色と言われることもあり、まさにこのタイミングに見られる色のことですね。


この色も光が地上に届くまでの条件が変わると、少しずつ、色の変化があるわけで、同じ空の色に出会うことはないと思うとまさに奇跡的に会えた色なのかなと思ってしまいます。


私は、「冬はつとめて」で表現される、冬のピンと張った空気の早朝も、好きです。
遥か昔から、日本は、自然の四季の移ろいを大切にしてきました。

今、その四季の変化も曖昧になりつつありますが、まだまだ身近に感じられる自然の美しさや素晴らしさを大切にしながら、次の時代に受け継いていけたらいいなと思います。


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