白黒映画で見える色は?


明けましておめでとうございます!
iro-laboの中川内です。
令和になって初めて迎える新しい年は、いつもより特別な気分で迎えられたのではないかと思います。

皆さんは白黒映画を鑑賞することがありますか?
普段たくさんの色に囲まれている私たちは、最初は色みが感じられない世界に違和感を覚えますが、次第に慣れてきて当たり前の光景に感じられるようになります。

すべての色は、色の三属性という「色相・明度・彩度」という3つの要素で分類することができ、これら三要素すべてを含む色を「有彩色」、3つのうちの明度(色の明るさ)のみを持つ色を「無彩色」と呼んでいます。

無彩色には色相(色み・色あい)と彩度(色の鮮やかさ)が含まれないので、白と黒と灰色しかありません。
映画や写真は「白黒」と形容されますが、実際には濃淡の灰色もありますね。



ところで、無彩色の世界に違和感を感じなくなるのは何故でしょうか?
カメラには先入観がないので事実をありのままに写しますが、人は「記憶色」という心のフィルターを通して白黒の世界を見ていると言われています。
晴れた空は「青」、草原は「緑」というような自然界の色や、野菜やフルーツなど普段見慣れている色が、イメージや記憶として見た人の脳内に残って現実の光景のように認識されるのだとか。



また、自分で撮った写真を後で見たときに「あれ?もっとハッキリした色だったはず。」と思ったことはありませんか?
これは、実際の色よりも色鮮やかに記憶される傾向があるからだそうです。
一般的にはこのような感覚のズレを最小限に抑えるため、色調整をする場合には「記憶色」の方に合わせるということですが、最近のカメラは被写体やイメージに合わせて発色傾向の設定が選択できるようになっているようです。

身の回りに存在するたくさんの色を改めて観察してみると、様々な発見があると思います。
あれ?どうして?という気づきを掘り下げてみると、いろいろなことが分かって面白いですよ。


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