赤べこに願いを込めて

こんにちは。iro-laboの浅川です。
2021年、早くも2月がスタートしましたが、今年は丑年。
丑年で思い浮かぶのが、福島の郷土玩具「赤べこ」です。
(東北地方の方言で、牛のこと「べこ」といいます)



赤べこをご存知ではない方に、ちょっとだけ説明しますと、
赤に下塗りした牛の型に、黒の斑点と白の縁取りが絵付けされていて、
牛の首がゆらゆら揺れる張り子人形です。
我が家のリビングにも赤べこがいます。
そして自転車の鍵はキューピーちゃんの赤べこです。

私自身、地元で小さい頃から親しんできた郷土玩具のため、
赤べこの丸みを帯びたフォルムと首がゆらゆらと揺れる動きを見ると、
懐かしいなぁと思いますが、今年は丑年なので、昨年末から今年にかけて
見かけることも多かったような気がします。

赤べこ、今は福島の代表的なお土産というイメージですが、
昔は「厄除け牛」や「幸運の牛」と呼ばれ、魔除けや疫病除けの縁起物として
地元の人々に親しまれてきたそうです。

なぜ牛なのに赤いの?と思う方も多いのではないでしょうか。
諸説あるようですが、昔から赤色は呪術的な意味で病気を退散させると考えられ、
かつて疫病が流行った時に、牛が身代わりになって病気から守ってくれる
という願いを込めて、疫病の跡の黒と白の斑点を描いて家々に飾ったそうです。
そのため、赤べこを近くに置くと「流行り病」に感染しなかったなどの
伝説もあるとのこと。
そんな由来から、地元の方々は厄除けのお守りとして贈られることも多かったようです。

赤べこには、千両箱を背負った千両べこは商売繁盛の縁起物として、
米俵を背負った豊年べこは豊年を祈念した縁起物として、
それぞれの願いがこもった赤べこもあります。
そして、近年では赤べこの色も赤色に限らず、カラフルなべこも登場しており、
赤べこも時代に合わせて多様化しているようです。

ちなみに、1月の福島の新聞記事には
「赤べこ売り切れ続出 丑年、疫病退散… 全国で人気」
という見出しの記事がありました。
赤べこには疫病退散のご利益があるので、2021年は赤べこに新型コロナウイルス終息の願いを込めたいと思います。


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